小路(こみち)のブログ

趣味の絵やその他日々感じたことを綴っています

つばめ

今年はじめての 燕を見た。
毎年巣を作る、商店街の看板の文字の上にとまっていた。
体つきが 例年の半分くらいの大きさだ。
声はよくとおる。

子供の頃、私の家には毎年 つばめが巣作りに来た。
 きっと代々同じ血筋のつばめが来たのだと思う。
 その頃は、昼間、入り口にカギをかける、 
 などという文化はなかったので、家の戸口は開け放たれていて 
 犬でも猫でも自由に出入りできた。

家屋が商家の造りだったので 入り口の土間はひろく、
天井の梁に燕の巣のための板が二か所、打ち付けられていた。
二つの巣が同時に使われた事はなく、 
 いつも片方だけが使われていたのは、 
 燕にしか分からぬ住み心地の差があったのか、
 又、先客に遠慮して 隣り合うのを避けたのか、
 どちらにしても 燕の来ぬ年はなかった。

昭和40年代の中ごろだったか、我が家の前の道路に、
 何10人かの幼稚園児と先生達がしゃがみこんで、
 ウチの入り口の燕の巣を見学していた。親燕が飛んできて
 黄色い口をあける雛に餌をやるのを見ては、 
 全員で 〽️ツバメさん〽️ の歌をうたっていた。
 もうその頃にはツバメは、
 巣作りの場を狭められていたのだろう。
 我が家での燕の見学は、幼稚園の課外活動の一部に
 なっていたようだ。

 人家の賑わいのなかに ツバメは暮らす。
 いつまでも、この街に飛んできてくれますように。