小路(こみち)のブログ

趣味の絵やその他日々感じたことを綴っています

日常の風景

元旦

今年 初日の出の瞬間 というものを 自分の目ではじめて見た 既に見たつもりでいたのは テレビのご来光の映像など 何度も見たものを 自分の経験のように 錯覚していたようだ 1月1日 たまたまカーテンを開けて 今まさに夜が明け放たれようとする 薄紫の空の色…

田舎のバス

親類の法事が故郷のホテルで行われ そこに一泊した 翌朝の 岬にあるホテルから駅迄のバスの乗客は私一人きりだ まもなく高齢の老人が乗ってきた 運転士と顔見知りか 世間話をはじめた また一人老人が乗ってくると三人で話はさらに盛り上がっている 祖父母や …

空蝉

一回り年下の友人が亡くなられた 入院して三か月も 経たずのことだった 一緒にお茶を飲んで別れた者たちには 信じられない出来事だった 病院嫌いで 検診を受けるのも敬遠していたと 後で聞いた 夜 北側の網戸に 羽音もたてず蝉がとまっていた それは 理由も…

蜘蛛

壁の隅に蜘蛛が張り付いているのに気付いた まだ 大人になりたてくらいで ひ弱そうだが 蜘蛛はクモだ 見ないようにして 離れた 息子に言って 始末してもらおう 用事に取り紛れて クモのことを忘れていた 「おかあさん ゴキブリがおった!」 用のある時以外 自分…

川鵜

スーパーへの買い物の途中 川っぷちを歩いていると 雨の中 柵の側に立って私を手招きしている人がいる 顔見知りの奥さんだ 近寄ると川底を指差し 興奮した声で 「見てみて! 鵜が魚を獲っているよ」と言う 水の中から ほっそりとした黒い首が現れた からすより…

向かいの屋根のアンテナに カラスが二羽飛んできてとまった 同じ大きさくらい 親子か 夫婦か きょうだいかと 何となく見ていると 一羽の方が しきりに相手の首筋のあたりを つついている 子が親に甘えているのか 親が子の面倒をみているのか 又は どちらかが 愛…

飼犬

近頃 気が付いたのは 犬の散歩をしている人が減っていること この間まで 朝夕 住宅の周りの道は 行き交う犬と飼い主との 交流の場のようだった 子供達が巣立った後の住宅街は しばらくは 犬と初老の飼い主が いたわりあうように散歩していたが 犬が寿命を全…

新品

洗濯機の脱水機能が衰えたので 買い替えた 14年以上使っていたので よく保てたとおもう 容量が一回り大きいのに変えたので 毛布も安心して洗える 古い家の中に 一点 新品が入っただけで 気分が上向くとは 安上がりな性分だ 次に待っているのは 冷蔵庫 1997年…

淡竹

近所の方に淡竹(はちく)の茹でた たけのこを頂いた 身が細長く 真竹の筍より ぺたんとした手触りだ 魚の付け合せに わかめと一緒に煮た 味噌汁にも入れて 筍をたっぷり味うことにした 息子が帰って来て 仕事先でもらったと 淡竹の茹でたのを 流しに置いた …

筋なしインゲン

近所の方から 畑で取れたと 筋なしインゲンを頂いた まだ温かみの残る柔らかそうな豆を 南瓜と一緒に煮た 血圧が200を超えた時 医者に 漬物と 魚の干物と 梅干しを 断つように言われた 途端に献立に困るようになった 漬物と メザシさえあれば 他のおかずは要らな…

紫陽花

いつの間にか根付いた額紫陽花が 今年もこじんまりとした花を咲かせた 二、三枝切って 友人に届ける 今日のように天気晴朗で微風流れる日は 努力せず身体が動く 特に私は 心身ともに天候に左右されやすいたちだ 気圧が低く 雲が覆いかぶさった日は 気持ちを…

ゆで卵

小鍋に水を張って卵を2個入れた 明日の朝食用の ゆで卵を作っておくつもり 今晩のおかずは出来ている テレビの プレバト!俳句 を見る 夏井いつき先生の解説は いつも明快で面白い なるほど なるほど・・・ 私なら 下五をどう結ぶかな・・・ 等々 いつの間にか画面に見…

蜂蜜

蜂蜜を頂いた 黄金色の液体の入ったどっしりと厚いガラスの瓶 ラベルにはルーマニア産とある アカシアの花や葉が描かれている テレビの番組で ひと匙の蜂蜜は 風邪の予防になると聞いたばかりだった 朝食のパンにひと匙 寝る前に 白湯にひと匙の蜂蜜を入れて飲みはじめた テレヒ…

湯たんぽ

湯たんぽの大安売りをしていた と 息子が アルミ製の小判型の湯たんぽを 2個買ってきた たしか 去年橙色のプラスチック製の丸い湯たんぽを自分用に 買っていたはずだ ガラクタが多すぎて 何処へいったかわからず 探すより買ったが早いと思ったのだろう 母親の分まで買…

小父さん

街を歩いていると 一人で歩いている高齢の男性が目につく それも 多少足元がおぼつかないような足取りで・・・ カバンを肩からキッチリと掛けて サッサッと歩いている小父さんも なかにはいる のんびりと歩いている人が多い 特に目的もなく 散歩しているかんじ・・ ボートレース…

満月

元日から掃除機をかけていた きれい好きというより 去年の掃除を持ち越していた それも何ヶ所も・・・ 今日はガス台の周囲の壁を 激落ちくん というスポンジで磨いた 明日もまだする事がある 私の正月は 旧正月に当てはめて丁度いい具合だ 大晦日に満月が出ると…

枇杷

玄関のドアの前に 葉付きの枇杷が一房 置いてあった 留守中 近所の方が届けて下さったようだ すずなりの枇杷を 口を開けて見上げていたのを 見られたらしい 実も葉も小振りで 葉柄や実は うぶ毛におおわれていた 今日はスケッチする暇がない 実に張りのあるうちに…

パン売り場で

スーパーで パンのコーナーの とりどりの菓子パンの中から 一つを選んで 籠に入れていると 側に居た人が 同じ物を手にとって籠に入れている 場所を替えて 違う棚ののパンを選んで 籠に入れていると その人が また 同じパンを籠に入れる 今度は別の棚の前で ジッと立って…

珊瑚色

久しぶりに会ったひとが 珊瑚色のイヤリングをしていた 淡いクリーム色の服と よく調和して 若やいだ雰囲気をかもし出していた 珊瑚色は 年齢に関係なく使える色と思う 装う ことは自分だけでなく 人の眼も楽しませるものと知った 私も 何処かに使いたい色 と思った …

干し大根

若くて見るからに華奢な 母親が 自転車の前と後ろに 幼児を乗せて 器用にバランスを取りながら スイスイと歩道をすぎていくのを見て いつも感心する あの細い体のどこに 筋力が付いているのだろう 筋肉の密度が違うのだろうな 今の私は 歩いている自分の体の バランス…

青あらし

昨日やっと公園へいった 芍薬はどうなっているか 半ばあきらめながら 坂を登ると 芍薬の群がりが見えてきた 花は殆ど落とされていた 点々と残った花も 既に衰え縮み 花を求めて登って来た人達の視線も 紫陽花の葉の方に 惹き寄せられていた 木々を渡る風に …

落花生

千葉県の知り合いから 特産の殻付きのピーナッツが届いた 採れたてのピーナッツで よそとは一味違うらしい 殻付きは口にいれるまでに 手続きがある 少し力を入れて殻を割る 中から ひと粒かふた粒 実を取り出す 薄皮をはぐ 取り出した実のゴミを払って 口元に持ってい…

雑草

玄関前の 座布団 2~3枚分くらいの地面に 雑草が伸びており見苦しい 何とかしたいと思いながら 伸びていくのを見ている 雑草にも爪の先くらいの 可愛い花を付けているのがある 一番多いのが どくだみの新芽 根がしっかり張っている どくだみ は絵の題材になる…

また 芍薬

朝一番にデンワがあった 知り合いが 芍薬を5、6本頂いたので取りに来るように と言う 寒さが続いて 開花が遅れたのだろう と言った これは 公園の花も希望がもてそうだ 公園行きは保留して 花を貰いに行った 瑞々しい葉と薄いピンクの花弁が 雅な雰囲気を湛え…

椿の葉

明るい居間から 玄関の方へ二三歩いったところで 体がすくんだ ゴキブリ! 足先が硬直して思わずつま先立った よくよく凝視すると 木の葉が一枚落ちていた 椿の葉っぱだ 花瓶の水を替えた時 落ちたのに気づかなかった ゴキブリが気味悪くなったのは いつ頃から…

暖簾

居間の暖簾が 20年ちかく 同じものだったのに気付いた あまりに毎日見慣れていて 目に入らなかった 柄は あまり気にいらなかったのだが 夫が買って来たものなので 夫の顔をたてて 掛けていた もう外しても 文句を言う人はいないのだが どうでも良いような気…

緩衝材

息子宛てのアマゾンのダンボールや緩衝材が ごちゃごちゃとごみ袋に突っ込んである 整理していて その新しい素材の緩衝材が いつになく柔らかく見えた これをクッションの中綿に足せば 程よい堅さになりはしないか その緩衝材を並べて 乗ってみたり 座ってみ…

独り言

前方から来る高齢の婦人に 何か声をかけられた と 思い 目を向けると どうも独り言のようだ 突っかかるような語調で 何かしゃべりながら通り過ぎていく その人だけの世界に没入している様子 きっと何ごとか腹ふくるる思いがあるのだろう 口から溢れ出て 止め…

BGM

スーパーに入り商品の棚を眺めながら 歩いていると BGMのピアノ曲が コロコロと耳に流れこんできた ざわざわしていた気持ちが 軽くなるように心地良い クラシック音楽を 普段あまり 聞くこともないが 漢字二文字で書いたら 玲瓏 とでも言おうか 突然 音が変り スーパーのコ…

くしゃみ

バスの 前の席に座っている婦人が さっきから くしゃみをしている それも 口元に手を添えるでもなく 広っぱでくしゃみをするように あたりに 気を使う風もない 幼児が そのまま大人になったような 大人だ 飛沫が降りかかる映像を思い出す 空いた反対側の座席…