小路(こみち)のブログ

趣味の絵やその他日々感じたことを綴っています

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

人参の皮

二十数年も 前になろうか 長男が 家に 彼女を連れて来たことがあった。 私がパートの仕事から戻った時 彼女は 既に帰った後だった。 息子は 彼女が さっき作ったと 「お母さん チキンライスは こうゆう風に 作るもんだよ」 と きれいに盛り付けられた皿を 自慢気に差…

バスの中で

中心街に用があって バスに乗った 途中のバス停で 杖をついた 足元の覚束ない 老婦人が乗って来て 前の座席に座った やがて バスは高速を走りはじめる。 老婦人がたち上がった 降りると言い出す。 側に立つ人が なだめながら 何ごとか聞いている。 私も 「何処…

筋力

いつの頃からか バッグや 靴 日傘 など 軽い物を選ぶようになっていた。 軽い 折りたたみの雨傘を買ったのが 始まりかと思う。 掛け布団も 綿を薄く入れて作ってもらった。 寒の強い夜など 毛布を一枚増やすと 押さえ込まれたような 重苦しさを感じる。 体重…

強風

気がつくと 腕に掛けていた 合繊の手提げ袋がない。 さっき顔見知りと 挨拶を交わした時 腕を滑り落ちたのだ。 空袋だったので重さの感覚がなかった。 振り返ると 二十メートルくらい 後ろに 風をはらんで パタパタしている 私の黒い袋が見えた。… 病院で診察をす…

年の始めに 必ず新しくしたものがある。 お箸 だ。 以前は 下駄 下着など 必ず新調していたが そんな 習慣もうすれ 今は 替えるのは 箸だけになっていた。 ところが 今年は どさくさに紛れて 用意していた箸も出さずじまいで 2月を迎えてしまった。 今日 古…

湯たんぽ

足元に湯たんぽがあると いつもは縮こまっている体も ぐいー と伸ばしたくなる。 私が 小学生の頃 祖母は 映画館の売店の 売り子をしていた。 今で言う パートだ。 映画の夜の部が始まると すぐ売り場のカーテンをおろし 売上げの計算をし 商品をまとめて雇い主へ…

骨折

突然 行きつけの ヘアーサロンの先生から 電話があった。 ”骨折して入院したので 一ヶ月休業します。” サロン と言っても ”先生” が何役もこなす パーマ屋さんだ。 ゴミ出しの日 一度に済まそうと 何袋も抱え上げた時 ボキッ と音がして そのまま入院 になった由。 みんな …

PM2.5

窓のガラスに 雨のあとが まだらに残っている。 なぞると 指先にうすく粉末がつく 黄砂か PM2.5 の飛来か このところ 外階段の 手すりの感触が 気になっていた。 暮に磨いたガラスが よごれるには 速すぎる。 空気中に漂っている微粒子を 私達は 知らぬ間…

音感

何もないところから 音符を自在に操り メロディーを生み出す 作曲家とは 私にとって 異星人にみえる 新曲を一度聞いて覚える など 到底出来ない デパートのBGMで いいな と感じる曲があった。 「あれは 何と言う曲?」 と 人に尋ねる わずかな間に 頭のなかの音符…

痛み

病気の痛みは 本人にしか分からず 比較のしょうのないものだが 誰でも 自分の経験した痛みが 最大と思いたいものだ。 病院へ 駆け込むと 医師は素っ気なく 尿管結石ですから 石が出たら 痛みは取れます 水を飲んで 出るまで我慢しなさい と言う。 出産の時は…

遺産

長く療養中の 老婦人が亡くなられた。 葬儀も 淡々と穏やかなうちに終わり お身内を残して 帰りかけていると 見知った顔が話しかけてきた。 老婦人が 小金持ちで 遺産相続については 一切決めていなかった由。 うちの子達は 皆んな良い子ばかりだから 遺産で…