元旦
今年 初日の出の瞬間 というものを 自分の目ではじめて見た
既に見たつもりでいたのは
テレビのご来光の映像など 何度も見たものを
自分の経験のように 錯覚していたようだ
1月1日 たまたまカーテンを開けて
今まさに夜が明け放たれようとする 薄紫の空の色を見て
この年になるまで 初日の出を見たことがないのに気づいた
窓のそばにたって 日の昇るのを待った
雲の色は一秒ごとに光を増し 一瞬 下から得体の知れない
荘厳な何ものかが立ち現れてくるような畏れを感じた
山の一隅に白い点が生じ膨らみ 金属性の白金の光が目を射た
視界がいっぺんに眩しく明るくかがやいた
太陽は赤でもオレンジでも黄でもなく
真白な光の玉のようだった
その白い玉に向かって 今年は昨年より良い年にします と祈った
太古の人が太陽を神としたのが 解る気がした