小路(こみち)のブログ

趣味の絵やその他日々感じたことを綴っています

田舎のバス

親類の法事が故郷のホテルで行われ そこに一泊した

翌朝の 岬にあるホテルから駅迄のバスの乗客は私一人きりだ

まもなく高齢の老人が乗ってきた

運転士と顔見知りか 世間話をはじめた

また一人老人が乗ってくると三人で話はさらに盛り上がっている

  

祖父母や 近所の年寄りが喋っていた 故郷のなまりが

ここでは まだ生きている 

昭和の始めの頃の空気がただよう 

だが 運転士があんなに喋っていていいの?

それに 気がつくと バスは停留所ではない道端で

バスを止めて客を乗せている

止めているのは客の方だが....

森と林と崖と畑地と数戸の家のかたまりの続くこの土地では

乗りたい所で乗り 降りたい所で降りるのが 

許されているのだろう

 

乗る人が増えてきて 街が近づいてきたのを知る

運転士の声は いつの間にかマニュアルどうりの

アクセントにかわっており 

降りる時チラと見たら 鉛の人形のように無表情になっていた

 

 

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