風景の一部
訪問した先で 時々感ずることがある
家の内外に 明らかに捨ててもよさそうな品々が
居座っている と。
家屋敷はひろく それがあってもとくに邪魔にはならないのだが
外から来たものには ガラクタに見える
幼児用三輪車 色の剥げたビニールプール たらい
机 椅子 錆びたハムスターのカゴ
また ビールのケースだったり……
外から来た者には ゴミにしかみえない品々だ
ミニマリストの文章に こんな趣旨の一節があった
( 家の中には ガラクタがいつの間にかその位置を占めていて
持ち主にとっては その品物はすでに風景の一部になっており
まったく気にならないのだ )と
その眼でみれば わが家は 風景の一部になっている品々であふれている
流しの脇にちょっと置いたミニ魔法びんがある
ビンは息子が買ってきたのが5〜6個もあって 戸棚にあふれ
行き場がなく ちょっと置いただけなのに 根が生えたように動かない
台を拭くたびに邪魔でしかたがない 捨てるにすてられず
これも風景の一部になりつつある
時々は他人の視点と 捨てる決断力がいるようだ