烏
向かいの屋根のアンテナに
カラスが二羽飛んできてとまった
同じ大きさくらい
親子か 夫婦か きょうだいかと 何となく見ていると
一羽の方が しきりに相手の首筋のあたりを つついている
子が親に甘えているのか
親が子の面倒をみているのか
又は どちらかが 愛情表現をしているのか
なんとも判断できない
先に飛び去った方が親だろう と 見当をつけ様子を見ていると
つついている方の烏が 大きく羽を広げて飛び去った
残された烏は 口を開けたまま 呆然とした様子
所在なげにアンテナの周りを ぴょこぴょこと歩いている
ああ どこの世界にも
子離れできない親と 親離れできない子が いるのだなあ
とおもった