小路(こみち)のブログ

趣味の絵やその他日々感じたことを綴っています

松の葉

100均の封筒コーナーに のし袋に混じって

 ” 松の葉 ”と表書きした封筒を見つけた

 

”松の葉” にはちょっとした思い出がある

 昭和の三十年頃までは お中元 お歳暮は

 必ず相手方の家を訪問して 届けていた 

 

贈答品は 素麺 干物 男物や女物の下駄 などが多かった

 お盆の上に品物を載せ 袱紗をかけて風呂敷に包む

 それをうやうやしく届けるのだった

 私も小学の高学年になると 気のおけない親類などへの

 届け物の 使いに出された

 回らぬ舌で口上をのべ 空いたお盆を持って帰る

 

家に贈答品を持った客が来ると 母は決まって 

 私に庭の松の葉を取って来るようにと言った 

 空のお盆の  たたんだ袱紗の横に その松の葉を二三本載せてお返しするのだった

 何の作法か おまじないかと ながめていたのだが

 それは ”こんな松の葉以外 お返しする品もありません” 

 という意かと思うようになった 

 松の葉が粗品 寸志の意になり 

 松葉は文字へと変わっていったのではないかと 

 

国語辞典などによると 

( 寸志のこと 松の葉で包むほどの僅かなもの )と説明がある

 私は 生の松の葉の交換が先にあり 文字へ変化していったと思うのだが 

 わからない  

 松葉の青い匂いを思い出した

 

 

 

 

 

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