私が子供の頃 風呂場でのヒートショックなど 聞いたことが無かった
ウチの風呂場は 母屋から離れた小屋の一隅を 板壁で囲った空間に
石炭風呂を置いただけの風呂場だった
天井は一続きのため 温まった空気はすぐ逃げていった
石炭風呂なので ぬるくなると 石炭をくべた
風呂場は寒いのが当たり前だった
風呂場だけでなく 家全体が寒いので
室温の差はあまり無かったのではないか
暖房は火鉢だけ 木造の家屋は隙間風だらけで
そんな環境に体は慣らされていたとおもう
昭和35年頃から 灯油ストーブというものが家庭に入ってきて
それからの暖房革命は家屋の構造の変化とあいまって
目を見張るばかりの快適さを生み出した
その状態が当たり前になり 体は軟弱になった
いや 寿命が伸びて以前には無かったヒートショックの状態が
人びとの眼に見えはじめたのだろうか
今 私たちの間では ” 風呂に入る時は気をつけましょう ” が
挨拶の言葉になっている