錯誤
十数年前 福岡西方沖地震 というのがあった
その時 私は 飛び出そうとする電子レンジを必死に押し戻しながら
これは地殻の 何かの間違いではないか と思った
この地に体の揺れる地震があるはずがない と 固く信じていたから
体は揺れているのに 地震であるはずがない という顚倒した感覚
後日 この地では百年に一度の地震 といわれた
当日が百年目だったのだ
私が知らないだけで 断層は幾つかあった
私のそもそもの認識が間違っていたのだ
真実を目の前に突き付けられても そんなはずはない
という 感覚はほかにもある
ある同人誌に Aさんという人がいた
その文章を通して 顔かたち 雰囲気など
彼女のイメージが出来あがっていた
ある時 その彼女が 男性であることがわかった
女性名のペンネームを使っていたのだ
私の中では 今でもペンネームの女性と その男性とは
別々の人格として 相容れないでいる