テレビで
高校生を相手にデッサンの指導が行われていた
石膏の像を逆さまに立てて それをスケッチするのだという
人の眼は 物を正確に見ていないそうだ
脳が先走りして 辻褄を合わせるのだという
人の姿 と思えば 鼻の高さ 目の位置など
脳が こうあるべき と 思い描いたかたちを作り上げていくらしい
それが 逆さまになれば
空間に 方眼紙を思い描き
”あたり” の点をきめ それを起点に
正確な角度をたどって 面を作り出していくしかない
それが ” 見たまま ” の絵になる
生徒達は 逆さまに描いた絵を反転させても
バランスよく描けていた
私には難しいことだ
例えば これが 自分の価値観 思い込みを 白紙に戻し
物事をありのままに見よ
と言われれば こんな難しいことはない
人は それぞれが造り上げた価値観を 反転させることは
できにくい生き物のようにおもうのだ