窓際に立って 近所の人の丹精の菜園を見下ろしていた
トマトや胡瓜の葉が 日ごとに緑深く たくましくなっている
白かった実も 赤味をおびて つややかに光っている
畑の隅に立つ 棒っ杭の先に
小鳥が飛んで来てひと休みした
スズメより大きく ヒヨドリより小さい
体を小きざみに動かし
あたりの景色をながめている 様子だ
芝生の上を白い蝶も 揺れながら飛ぶ
蝶が鳥のはな先を かすめたと思った瞬間
鳥のくちばしが パクッ と蝶を喰べてしまった
白い蝶は一瞬にして 緑の視界から消えた
その時 私の脈拍は トトトッ と つんのめってしまった
当たり前の鳥の営み
一秒前まで生きていた蝶
生きることのきびしさと
生きていることの意味を思った