映画やテレビドラマで 女優さんが大粒の涙をこぼす場面を
美しいと ながめていた。
あのように うるわしく 泣きたいものだ。
長年そう思ってきた
ある時 大泣きして
ふと 鏡に写った 己の顔をみて愕然とした。
何という違い。
茫然とした後 至極当たり前の事に 思いあたった。
女優さんは 本当は泣いていないのだ。
演じているから 美しく泣けるのだ。
泣きながら とうとう と 言葉の出てくる姿を
羨ましく思っていた。
私など 胸がつまって 一言も発し得ないのに と。
スーパーの売り場に ピース御飯が
緑もあざやかに並んでいる。
ウチの電気釜のピース御飯は 豆の色は灰緑色に変わっているが
御飯の むせるような豆の匂いが 食欲をそそる。
両方を一度に手にする事は できないものか。