夕暮れどき 北の空に向かって 矢のように飛んで行く 黒い 点々 ・・
それは ねぐらに帰る 雀の集団だ。
郊外の 田圃のあたりから
なぜか 明るい市街地の 街路樹の繁みをめざす。
途中には 公園も 住宅の木々もあるのに
わざわざ 車の行き交う場所をねぐらにする
街路樹の周辺は 雀のさえずりで いっ時 騒然となる。
竹筒に小石を入れて 振り回すような 音 音の雨
「その枝は わたしの場所よツ 」
「イヤ はやいもの勝ちだ」
「山際の たんぼは 餌が多いかな」
「川沿いの たんぼの方が 虫がいそうだよ」
とか 情報交換しているのか。
翌朝には 白いフンが 昨夜の喧騒のあとを残している。
そろそろ 掃除のおじさんの 来る頃だ。